全熱交換器とは、室内と室外の空気を効率的に換気することで、密閉度の高いビルでも快適な室内環境を保つ、高機能換気システムです。
全熱交換器を使用することで、室内と室外の空気を交換する際、通常の換気では失われていた空気の「熱」を回収し、室内に取り入れる空気に「熱」だけを移します。これにより、温度変化を最小に抑えた換気を実現。快適な室内環境が保たれます。
換気は、外からの新鮮な空気を取り込む給気と、室内に充満している空気を外に流す、排気があります。
給気・排気は、ともに窓を開けて行う自然換気と、天井や壁などに取りつけた機器で行う機械換気があり、全熱交換器は給気・排気の両方を機械で行う換気方法です。
換気時に機器を通すため、自然換気ではかなわなかった熱の回収と交換が可能となり、外気による室内の急激な温度変化を防ぐことで、エアコンの負荷を軽減します。
自然換気では、夏は外の熱い空気が入り込み、エアコンで冷やした空気はそのまま外に排出されてしまいます。冬は、室内の温めた空気が外に排出され、外の冷たい空気が入り込む、夏とは全く逆の現象が起きます。その空気を快適な温度に戻すため、必要以上にエアコンが稼働することになり、自然換気は省エネとは言えない換気方法です。
全熱交換器は、排気時に奪われる空気の熱を熱交換エレメントに通すことで回収し、給気してきた新鮮な空気に移すことで、換気による室内の温度変化を最小に抑える省エネルギー換気システムです。
機械換気のメリットは、換気量の安定性です。
機種ごとに「1時間あたりに換気できる風量」を設定できるため、建物の規模や室内の広さに適した希望通りの換気量をコントロールし、快適性を保持します。
さらに外気の影響を抑えることが出来るため、梅雨時期などの外気の湿度が高い場合は、高湿度の空気が室内に入ることを防ぐことが出来ます。逆に乾燥しやすい冬は、乾燥した外気が室内に入ることを防ぎ、季節による湿度変化も抑えられます。
また高機能フィルター(※オプション別売品)を通すことにより、有害物質の除去が可能に。外部からの有害物質をシャットアウトするだけでなく、室内のCO2濃度を感知して換気量を制御し、清浄してから外に排気することができます。
参考:
ダイキン工業株式会社
ベンティエール専用高性能フィルターユニット
品番KAF358A50 PM2.5(0.3μm~2.5μm)を約90%除去
https://www.daikinaircon.com/va/kinou1/kuuki/index.html#anc01
三菱電機株式会社
ロスナイ 別売フィルター
PM2.5(2.0μm以上の粒子)を約95%除去
https://www.mitsubishielectric.co.jp/ldg/ja/air/products/ventilationfan/about/detail_03.html
窓を開けることで簡単にできる自然換気ですが、デメリットはコントロールできない外的環境そのものにあります。
窓開け換気の場合、新鮮な空気だけでなく、外部からの異物も同時に室内に取り込んでしまいます。
外の熱い空気が室内温度を上げるだけでなく、外部で発生した騒音や虫、ホコリ。花粉やPM2.5。そして、ウィルス飛沫も同時に室内に流れ込んできます。
換気扇による換気も、フィルターの目が粗く、花粉やホコリを除去することはできません。
換気のたびに上下する室内温度を快適に戻すため、過度な稼働をエアコンに強いてしまい、無駄なエネルギーが生じてしまいます。
空調機器と換気システムを同時に連動させることで、様々なシーンでの温度・湿度管理が可能となり、一括管理の自動化により、管理の手間を省きます。
また、全熱交換器の導入により、エアコンの負荷を軽減。今まで無駄にしていた目に見えない空気の「熱」を回収し、効率よく、しかも自動で省エネ化を目指せます。
2019年に発生した新型コロナウィルス(COVID-19)の感染症対策として、頻繁な室内の換気が有効であるとされています。
ですが、自然換気によっての急激な温度変化は体調にも影響を及ぼし、省エネの観点からも、感染症対策としてもお勧めはできません。
機械換気は人の密集度に合わせて換気量を自動コントロール。適切な風量で室内の空気を新しいものと入れ替えることが可能となります。
学校 試験時などの外部からの騒音もシャットアウト。集中できる環境を実現します。
店舗 室内の温度変化を最小に抑えることで快適性を実現。省スペースにも設置可能です。
医療機関 換気を確実に行うことで、有害物質を除去し、安全性を確保します。
TO-REIは、ワンストップサービスで、お客様に快適な空間を提供いたします。
工場・事業場における先導的な脱炭素化取組推進事業(SHIFT事業)の支援機関と組み合わせることにより、規模に合わせた総合的な省エネ対策や、設置場所のご相談も承ります。
生産性を高める環境と健やかな空間づくりの為に、それぞれの建物にふさわしい、安全性の高い換気を、ご提案いたします。
取扱メーカー
ダイキン工業株式会社、三菱電機株式会社、テラル株式会社、東芝キヤリア株式会社、パナソニックエコシステムズ株式会社
その他のメーカーも対応が可能です。まずはご相談ください。
CASE 01
CASE 02
CASE 03
大学
新型コロナウイルス感染症対策として、全熱交換器の点検整備を行いました。窓を開けずに換気ができるようになりました。
CASE 04
大学
空調機器の負荷低減を目的に、全熱交換器とデシカント空調機を採用しました。感染症対策として、図書館や教室の換気量を増やすことができました。
CASE 05
予備校 某所
天井埋込型全熱交換器を導入しました。感染症対策として、在室人数に対し十分な換気量を確保しました。また、インフルエンザ対策として、全教室に加湿設備を設置しました。
CASE 06
予備校 某所
教室内の在室人数が多い予備校の特徴に合わせ、各教室単位で全熱交換器と空調設備の設置を行いました。部屋ごとに設備の運用ができるため、お客様からも喜ばれています。